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012 肉弾戦

ผู้เขียน: 栗須帳(くりす・とばり)
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2026-03-09 18:01:08

粉々になった石像の残骸の中、直美が鼻歌を歌いながら陽気に突っ走る。

「ルンルルン♪ ルンルルン♪」

目の前に二体の石像が現れ、直美の行く手を遮る。

「おおおおりゃああああああああっ!」

直美はすかさず一体の顔面に正拳の三連打をかまし、ひるんだ隙にもう一体の石像に蹴りを見舞った。

ボロボロと石像たちが崩れていく。

顔面のなくなった石像に、直美は飛び上がって胸目掛けて膝蹴りを食らわした。

「楽勝楽勝!」

狂喜に瞳を輝かせながら、直美がひた走る。

いきなり建物の陰から現れた石像がタックルをきめ、直美がバランスを崩して倒れた。

「やるやん、石像」

ニタリと笑った直美が、すかさずエルボーを頬に叩き込む。

顔面に亀裂が入り、直美を掴んでいた腕の力が緩んでくる。

それを直美は見逃さず、膝を何度も腹にぶち当てた。

最後に腕を掴んで力任せに握ると、何と腕が粉々に砕けた。

「ふうっ」

一呼吸入れ、直美が立ち上がる。

「動きもとろいし分散してるし、そやけど叩き壊す時の手応えはしっかりあって……やっぱ最高やんか!

さあ、ほんだらいてこましてみよか。一遍してみたかったもんね。試さんと絶対後悔しそうやし」

そう言って直美が柔軟体操を始めた。

そうしている内に、不気味なうなり声と共に新たな石像が現れた。

ファイティングポーズをとった直美は、軽やかなステップを踏みながら石像に向かった。

そして素早く石像のバックを取ると、両腕で腹を抱えた。

「バックドロップはへそで投げる!」

その声と同時に、一気に石像を後ろに投げ飛ばした。

「おおおおおおおぅりゃああああああっ!」

見事に技がきまり、石像の首がアスファルトに叩きつけられた。

「やたっ!」

直美が歓声をあげた。

「一遍でええから本気で投げてみたかったんよね。さあどない、まだ立てる?」

腰を落とし、再びファイティングポーズをとりながら直美が笑う。

「おっ……」

動きが止まった様に見えた石像が、ゆっくりと起き上がる。

首の辺りに亀裂が入っていた。

「あんたも石像のはしくれ、そうやないとね。ほんだらこれは……どうや!」

素早く間合いに入った直美が、今度は正面から組み合った。

石像の腕を首にかけると、そのまま一気に持ち上げる。

ブレーンバスターである。

「うおおおおおおおおっ!」

石像を上げきった直美はしばらくその体勢を維持、滞空時間を取ってから一気に垂直落下で地面に叩きつけた。

全体重をアスファルトに叩きつけられた頭部が、粉々に砕ける。

複数の石像が近付いてくる。

直美は群れに突進し、次々とプロレス技をしかけていった。

パワーボム、フルネルソンスープレックス、DDTと、技がきまるたびに雄たけびをあげる。

しかし掴んでは投げ、掴んでは投げても次々と襲ってくる石像に、流石の直美も打撃に転じざるを得なくなった。

「はっ!」

猫の様にしなやかに跳んだ直美の膝が、顔面を砕く。

正拳を入れる、頭突きを入れる。

直美の怒涛の攻撃によって、辺りは石像の残骸の山が築かれていった。

* * *

辺りの石像を一掃し、砂埃の中で仁王立ちした直美が、感慨深げにつぶやいた。

「プロレス技は2・3体同時が限界か……こんな状況やったら、やっぱ打撃やね」

瞳は相変わらず爛々と輝いている。

直美はこの戦地に立てている事に、心から満足していた。

「!」

直美が背後に気配を感じ、SIGを素早く抜き取った。

ターゲットに照準を合わせると同時にトリガーを引く。

しかし、本田が「絶対にジャムらない」と豪語していたSIGがジャムり、薬莢がチャンバーに挟まり垂直に立ってしまった。

「ふんっ……!」

サイトを微動だにさせず、素早く動いた左手が薬莢を弾き飛ばす。

薬莢が宙に弧を描く。

そして次の瞬間、再び人差し指がトリガーを引いた。

ボンボンボンッ!

石像が銃弾で怯む。

直美は腰を屈め、両手を握り締めて吠えた。

「うおおおおおおおおおおおっ!」

直美の上腕二頭筋が見る見る膨張していく。

力をためにためた直美はニタリと笑い、石像に向って突進した。

「おおおおおおおりゃああああああっ!」

右腕を伸ばし、石像にラリアットをかますと、石像の首が吹っ飛んだ。

「ええよ……ええよええよええよ! もっとかかっといで!」

直美が更なる獲物を求め、市街を走っていった。

* * *

健太郎たちは苦戦していた。

彼らは移動の手段として、まず車を狙った。

しかし、ドアをこじ開けようとするたびに聞こえる、バカでかい警報に驚いて逃げる坂口のせいで、奪取ははかどらなかった。

ようやく乗り込めても、なぜかどの車もバッテリーが死んでいて、車での移動は無理と結論付けざるを得なかった。

次に健太郎は自転車に目をつけた。

しかしこれは、自転車に乗れない坂口の強い反対により、あえなく却下された。

「んなもん坂口さん、チャリも乗れんと大阪で、今までどないして生活してたんですかっ!」

「ん~、痛いところを突かれたな。僕はこけるもんには近寄らん主義やからな。まぁええやん、天気もええし、ぼちぼち歩いて行こうや」

「空は曇ってまっ! 大体石像が襲ってきてますのに、花見遊山みたいに歩いてられまっかいな! 頼みますから乗ってください!」

「いや、もしこけて骨でも折ったらそれこそ本末転倒や。そう怒らんとぼちぼち行こや」

「遠足に来てるんちゃいまっ!」

「山本君、そんなに怒ってたら寿命縮むで」

「があああああああああっ!」

「まぁそうカリカリせんと」

「がぎぎぎぎ……はぁ、はぁ……わ、分かりました。僕がこぎますから、坂口さんは後ろに乗ってください」

「いや、二人乗りは交通違反や」

「けーさつは今、おりまへんっ!」

健太郎が頭をかきむしって絶叫する。

しかし坂口はおかまいなく、マイペースに話す。

「いや、こう言う時やからこそ法律は守らなあかん。非常時にこそ、僕ら国民は身を律していくべきや。それに僕は後ろにも乗ったことないし。まぁええやん、歩いて行こ。時間には間に合うから」

「ぐおおおおおおおおっ!」

二人の応酬を傍らで聞きながら、藤原は頭を抱えていた。

(二人共、状況分かっとるんかいな……掛け合い漫才しとる場合とちゃうんやで……)

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